EZバーベル・インクライン・トライセプスエクステンション
EZバーベル・インクライン・トライセプスエクステンションは、上腕の裏側を鍛えるフリーウェイトのアイソレーション種目で、インクラインベンチに仰向けになって行います。EZバーベルをクローズドグリップで肩幅に握り、頭の後方へ弧を描くように下ろしてから、肘を完全に伸ばしきる位置まで押し上げます。上半身を後傾させることが、フラットベンチのスカルクラッシャーとの決定的な違いです。体が傾くことで肩関節がオーバーヘッドの深い位置に置かれ、上腕三頭筋、特に肩をまたいで付着する長頭に、より長いストレッチがかかります。
この種目は、プレスやエクステンションである程度経験を積み、ストレッチポジションにより重点を置いて上腕三頭筋を発達させたい人に向いています。長頭は上腕三頭筋全体の大部分を占めるため、オーバーヘッドの角度から鍛えることは、ベンチプレスやショルダープレスのようなプレス系種目につながる腕のサイズと力を効率よく築く方法です。アームデイに、より重いコンパウンドのプレスのあと、2番目か3番目の上腕三頭筋種目として組み込むのも効果的です。
セットアップの重要性は見た目以上です。インクラインの角度によって肩が胴体より後ろに位置するため、ベンチが浅すぎると通常のスカルクラッシャーになってしまい、逆に立てすぎるとストレッチが非常に深いシーテッド・オーバーヘッドエクステンションに近づいてしまいます。中程度のインクラインにすることで、肘が天井を向き、バーは頭頂部の後ろを通り、緊張が肩関節包ではなく上腕三頭筋に保たれます。
動作の要は肘です。肘は狭く固定したまま、ヒンジとして機能させ、動くのは前腕だけにします。バーは上腕三頭筋にしっかりとしたストレッチを感じるまで滑らかな弧を描いて下降し、その後コントロールしながら肘が伸びきるまで持ち上げます。ロックアウトで肘を強く過伸展させないようにしましょう。肘が外に開いたり前に流れたりするのが最も多いフォームの崩れで、そのままでは動作が部分的なプレスに変わってしまいます。
EZバーはグリップ部が角度付きになっているため、ストレートバーよりも手首の位置がやや自然になり、繰り返しセットを行う際に肘関節への負担が少ないと感じる人が多くいます。とはいえ、重量は控えめに設定してください。バーは毎レップ顔と頭の上を通過するため、弧全体をコントロールできる重量を使い、安定のために足を床にしっかり固定し、肘の軌道がブレ始めた瞬間にセットを終えましょう。
手順
- 調整式ベンチを中程度のインクライン、およそ30〜45度に設定し、足を床に平らに、安定する幅で開いて背中を預けるように座ります。
- EZバーベルの内側の角度付きグリップをクローズドのオーバーハンドグリップで、肩幅ほどに握り、腕が上胸の上で完全に伸びきるまでバーを押し上げます。
- 肩甲骨をベンチに向けて下げ引き寄せ、腹筋に力を入れ、肘を肩幅ほどに保ったまま天井方向に向けます。
- 肘だけを曲げ、上腕を固定して垂直に保ちながら、バーをコントロールされた弧で頭頂部の後ろへ下ろします。
- 上腕三頭筋に明確なストレッチを感じ、バーが頭のすぐ後ろに来るまで下ろします。肘が外に広がったり前に流れたりしないようにしてください。
- 上腕三頭筋を収縮させて弧を逆向きにたどり、肘が肩の上で完全に伸びきるまで同じ軌道でバーを押し戻します。
- バーを押し上げるときに息を吐き、頭の後ろへ下ろす間は一定のペースで息を吸います。
- 腕を伸ばした状態でトップで一呼吸止め、次のレップを開始します。その際、肘が固定されたままであることを再確認しましょう。
- 最後のレップを終えたら腕を完全に伸ばし、上体を起こしてから、コントロールしながらバーを床に置くか、スポッターにバーを受け取ってもらいます。
- 次のセットを始める前に、ベンチに対する背中と足の位置を整え直します。
ヒント&コツ
- バーをロードする前にインクラインの角度を決めておきましょう。途中で角度を変えるとバーの軌道が変わるため、一つのポジション、およそ30〜45度を選び、全セットでそれを維持してください。
- バーが頭の後ろへ下がるときに肘が外に開く場合は、重量が重すぎるか、グリップが狭すぎることがほとんどです。内側の角度付きグリップでやや幅を広げ、肘がバーの真下に保てるまで重量を減らしましょう。
- 頭と肩は一貫してパッドに接触させ続けてください。バーを目で追おうと頭を起こすと上背部が丸まり、弧が短くなります。目で追い求めるのではなく、ストレッチを感じ取ることが大切です。
- バーを額の方へ流さないこと。インクラインでは正しい軌道の終点は頭頂部の後ろであり、手前で止めると動作が部分可動域のプレスになってしまいます。
- EZバーの角度付きグリップは手首への負担を軽減するためにあります。特に重いセットでは、ストレートバーと同じ握りを無理に作らず、手首がその角度に沿うようにバーを回して握りましょう。
- 両手で均等にバーを握り込んでください。インクラインでは傾きがすぐに表面化します。片方の腕がもう片方より先に伸びても、修正する要素がないためです。
- バーが頭の後ろへ下がるとき、腰がベンチから浮いて反らないよう体幹に力を入れてください。足を床に押し込むことがポジションを安定させる助けになります。
- 押し上げるときよりゆっくり下ろしましょう。頭の後ろのストレッチこそが長頭の成長刺激の大部分を生む場所であり、そこで反動を使うとその効果が失われます。
- 肘は軽めのセットやバンドエクステンションで先にウォームアップしましょう。インクラインでの深いオーバーヘッドストレッチは、普段のプレスではほとんど使われない角度から上腕三頭筋と肘関節に負荷をかけるためです。
よくあるご質問
EZバーベル・インクライン・トライセプスエクステンションではどの筋肉に効きますか?
主な作用筋は上腕三頭筋で、インクラインにより肩がオーバーヘッドの位置に置かれるため、長頭に特に強い負荷がかかります。前腕と肩周りの小さな安定筋もバーのコントロールを補助します。
インクライン版はフラットベンチのスカルクラッシャーとどう違いますか?
インクラインでは上半身が後傾するため、バーは額ではなく頭の後ろへ下り、上腕三頭筋に長いストレッチがかかります。フラット版では肩がよりニュートラルに保たれ、長頭への負荷は比較的軽く感じられます。
ベンチのインクライン角度は何度に設定すればいいですか?
多くの人にはおよそ30〜45度の中程度のインクラインが適しています。角度が浅いとスカルクラッシャーに近くなり、急すぎるとコントロールが難しい非常に深いストレッチになります。
ストレートバーベルではなくEZバーを使う理由は何ですか?
EZバーの角度付きグリップにより手首がやや外向きの自然な位置に置かれ、繰り返すセットの中で手首と肘への負担が軽減されます。特にバーが頭の後ろに来るレップのボトムでその違いが大きいです。
EZバーベル・インクライン・トライセプスエクステンションは初心者でもできますか?
初心者でも行えますが、まず軽いバーかフラットベンチ版から始めて肘のヒンジ動作のパターンを学ぶのが賢明です。バーが頭の後ろを通るため、最初のうちはスポッターをつけるのがおすすめです。
肘はずっと天井を向いたままにすべきですか?
はい、肘は上を向いたままおよそ肩幅に保ち、動くのは前腕だけにします。肘が外に開いたり耳の方へ流れたりすると、上腕三頭筋が働かなくなり肩が代わりに動いてしまいます。
バーは頭の後ろのどこまで下ろせばいいですか?
上腕の裏側に明確でかつ無理のないストレッチを感じ、バーが頭頂部のすぐ後ろに来るまで下ろします。それより深く下げるのは、肘を固定し背中をベンチにつけたまま保てる場合に限って有効です。
EZバーベルやインクラインベンチがない場合、代わりの種目は何がありますか?
インクラインベンチでのダンベル・オーバーヘッドエクステンション、ケーブルロープ・オーバーヘッドエクステンション、フラットベンチでのEZバースカルクラッシャーなどは、いずれも似た弧を描いて上腕三頭筋を鍛えられます。それぞれストレッチのかかり方が少し異なるため、完全な代用ではなく代替種目として扱いましょう。
セット数とレップ数はどのくらいにすればいいですか?
深いストレッチを伴うアイソレーション種目なので、8〜15レップを2〜4セット、中程度の重量が効果的です。バーが頭の後ろにある状態で限界まで粘るのではなく、コントロールできるレップを1〜2回残すようにしてください。
スポッターなしでこの種目を行うのは安全ですか?
余裕をもって数レップ余分に押し上げられる重量を使い、バーをコントロールされた軌道に保てれば、一人でも行えます。ただし限界に近い重量で行う場合は、バーが顔と頭の上を通過するため、スポッターをつけるかパワーラックの近くで行う方が安全です。


